2011年10月21日金曜日

ちょっと好きになった「日本語朗読コンテスト」で思ったあれこれ


昨晩、勤務校の学内「日本語朗読コンテスト」を見に行った。結果、とても面白くて、行ってよかったと思った。気づいたことを書いておきたい。

元々「○○コンテスト」、「〇〇大会」みたいなものは、そんなに好きなほうではなかった。朗読コンテストが行われることは知っていたが、いつあるのかも気にしていなかったし、行こうとも思っていなかった(すみません)。ちょうど、私の授業日に行われていたことと、主催者の先生から「見に来ない?」と一言、お声をかけていただいたことが大きい。逆に考えれば、何かを主催してポスター貼っただけで関係者が見に行くと思ったら大間違いということ。対面で伝えるのは大きい。

学生たちが朗読したのは、「福娘童話集」のサイトにある日本の昔話。先生がいくつか選んでいたものの中から、学生が好きなものを選んで朗読した。学生の中には「アフレコ大会」のように、声色を変えて読んでいる学生もいて、なかなかうまい。一人の学生は、私の耳には、「これ誰か声優の声に似ている」と感じた学生もいて、かっこよい声をしていた。

朗読コンテストでいいな、と思ったのは、学び始めた学生から上級者まで同じ土俵にたてることだ。これがスピーチコンテストだと、ある程度学んだ学生しか参加できない。スピーチコンテストでも、たまに意味がわからず、まる覚えをして参加する学生もいるが、質疑応答があるとそれが見えてしまうし、元よりそういう人の参加を想定していないだろう。朗読コンテストでは紙を参照することができるので、意味がわからなくても読めればよい。更に、実際、朗読の上手下手は聞いてわかるが、それが必ずしも日本語の上手下手とはかかわりないこともあるように見えた。

この大学の日本語は第二外国語としての科目である。授業は学期ごとで、全学の学生が選択して履修する。第二外国語であるが、なかなかの実力者もいて、ディベート大会で、日本語主専攻のチームに勝ち優勝した学生たちもいる。今回は、その学生たちが裏方に周り、「小老師」として朗読の指導をしたり、きのうのコンテストでも司会や審査員の接待、はては私の通訳までしてくれた。
こういうコンテストがあると、学内の日本語好きな学生が集まってくる。そこで、自分の前を行く先輩たちを見ることができる。私が担当する「日文(一)」クラスの学生も見に来ていた。(日文一はいわゆる0初級クラス)私と目があって「今日は見に来てみたんだ」というので「来年は参加したら」と言うと「うん、参加する」とやる気まんまんでこたえていた。

全体として雰囲気もよかった。最後の表彰で、優勝者に審査員の先生が「もう一度(朗読)やる?」と言ったら、みんなから「もう一度、もう一度」と声があがり、優勝した学生がもう一度朗読をした。その学生「いいの?」と言いながらも、紙を見ずに朗読を始め(すごい!)、途中ですかさず裏方の学生が紙を渡し、最後まで朗読を終えた。優勝した学生も、「もう一度」と言った観客も、機転をきかせた学生も、お見事!だった。

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