2011年9月30日金曜日

研究会参加メモ-「自律学習」に集まった関心事-「自律的な言語学習のデザインとその支援」 発表討論会

先週、非常勤の勤務校で標記の研究会が行われた。小規模なものだったので集まる人は内輪だけかと思っていたが、他大からも院生を含め参加者がいて、「自律学習」という言葉には関心があるのだと感じた。私も拙い発表をさせていただいた。
当日は「自律を目指すことばの学習」の桜美林大学の齋藤伸子先生もスカイプで講演をしてくださり、そのやり方も初めてのものだったので、色々と面白かった。当日の発表、討論を私なりにまとめ、思ったことを含めメモしておきたい。

○「楽しく走れる日本語自学ハイウェイ構想」
発表原稿のまとめのところで「日本語教育でもさまざまなリソースが用紙されているが、これまではリソースの平面的な羅列にとどまっていた感がある。それをどのような形で学習者に提示していけばよいか、ここでは、われわれの生活に身近な高速道路を例にシステムの全体像を考えてみた」とあるが、運転免許を取得して高速道路を走る楽しみを学習支援システムに置き換えて考えるというものだ。
私の理解で乱暴にまとめてしまうと、
今はリソースはたくさんあるけれど、ばらばらに提示されていたが、学習者が自分の学習の通る道を見通せるような提示の仕方をし、そこには、教師だけでなく、いろいろな人が関わるようにできるといい。その提示の仕方、他の人が関わることができるような仕組みを教師が作っていくことを考えたい(通る道筋を提示すること、教師以外の人が関わることが自律学習につながる)
ということなのではないかと思う。
「燃料」を比喩に、語彙の重要性も強調されていた。発表者の先生は、学生に語彙リストをわたしているということだった。日本語では基礎語彙で理解できる範囲が狭く、語彙数が大きな意味を持つからだ。ただ単に教科書に出てくる語彙を覚えましょうというのではなく、将来的にどのぐらいの語彙力がないと、理解ができないかという道筋を提示して、そこにいく道順を語彙リストとして提示しているということなのだろう。 

○「スカイプを通した中国語学習支援の一考察」
 私も支援してもらったが、この研究会の主催校のK先生担当授業「日語分科教学法」で、学生たちが学習者のニーズを聞いてコースデザインをし学習支援を行った。その学生による発表だった。
元々曖昧な学習者のニーズ(台湾ドラマを中国語で楽しみたい。教科書のような言葉ではなく、台湾人が日常的に使っている文法を知りたい。台湾の友だちへのメールなどを添削してもらいたい。)だったが、年末に高雄を旅行することがわかり、高雄旅行で使える会話を目的にしてコースデザインを行なっていた。
 レッスンは週2回、スカイプを通して1時間だが、毎回、予習用の聴解音声、その文字化ファイル、レッスン当日は会話音声ファイル、補充教材、など、多彩なものが用意され、製作した学生たちはさぞ大変だったことだろうと思った。
 発表の最後に学習者から高雄旅行の後に送られたお礼のメール(中国語と日本語)があった。コースの中で、「バスに乗る。バスの運転手さんとの会話」というのがあったが、それも実際に使ったということだった。学習者の「使えた」達成感が目に浮かぶようだった。
 実は時間がなくて聞けなかったのだが、曖昧なニーズからどうやって高雄旅行のことを聞き出せたのかが知りたかった。結果的には「高雄に旅行するんだからそのためにそこで使える中国語を勉強するのが、実際に使えるし、実用的でいい」と思うが、私たちが実際に「何が勉強したいですか。今、何に困っていますか」のようなニーズの聞き方をされても、「高雄旅行に行くので…」という答えは出てこないことも多いと思う。「自律学習」でも具体的な到達可能な目標設定をするのが難しいことが語られているように思うが、ニーズや目標と学習デザインを結びつけるのは結構難しい。今回は見事に成功させていたが、どうやってそこに到達したのか、そのプロセスを知りたかった。

○「高中第二外語基礎課程自律學習的可能性與問題點」
 タイトルを日本語にすると「高校第二外国語基礎課程の自律学習の可能性と問題点」になるかと思う。
 発表者の先生が高校の第二外国語選択日本語クラスで行った学生のポスター発表の取り組みが紹介された。
 ポスター発表は、生徒たちを6-8人のグループに分け、自分で日本語の素材をさがし、それについて説明するポスターを作るというものだ。
選択で日本語を履修している生徒たちは、元々日本のものが好きないわゆる「哈日」な生徒たちで、日常生活の中で漫画や商品やドラマなどで「なんとなく知っているけどはっきりわからない日本語」を「はっきりわかりたい」という気持ちを持っているという。
 この活動で面白いと思ったのは、「他の人に教えてあげる」という活動目的、グループ学習では日本語が得意な生徒が他の生徒に教えるという「協同学習」的な要素が出てきたこと、またアクネス洗顔料という商品を紹介したグループの発表が好評で、それは、広告の中でニキビ対策の洗顔方法が歌になっているのだが、その内容を知ることで、日頃ニキビに困っている多くの高校生にとって「実用的だった」ということだ。
 私の記憶では口頭発表の時にはあまり触れられていなかったように思うが、発表原稿を見ると下のように書いてある。
最後,重要的是長久以來我們會不會因為課程名稱的「外語」這兩個文字的影響,而把焦點過於放在「語言」這個框架裡?學習的樂趣是什麽?學習的成果該如何定義?這也許未來的研究課題吧!!
(勝手な簡訳:授業名称の「外国語」という言葉に影響され、我々は長いこと「言語」という枠にとらわれすぎていたのではないだろうか。学習の楽しみとは?学習の成果とは何か。今後の課題だろう。)
高校の第二外国語は大学入試とも関係なく、実際の時間数はだいたい60-64時間ぐらい。これは1週2時間で1年間の課程だが、1学期間だけという学校もあるらしい。そんな時間数でいったい何ができるのだろう?そんな風に思っている高校の教員も多いのではないかと思う。高校だけでなく、大学の第二外国語科目を担当している教員にしても同じかもしれない。そう言えば私も、やむなく日本語を学習することになってしまった学生たちを前にして、ここは何をするところだと考えればいいのか、と悩んだことがあった。
 この発表は、そんな現場から、学習者が自分の実際の生活とつながる学習(自分で見た・聞いた素材を持ち込む)、自分が学んだことを人に伝えて喜んでもらうことで学習の達成感を感じる、そこが「自律学習」と関係するところだということだろう。

○「インターネットを使った、日本語学習時に於ける問題解決方法の提案」
 発表の主旨をまた乱暴にまとめてしまうと、実際に日本語を使う機会が乏しい学生たちに、実際のコミュニケーションをとる機会を提供したい。それに、インターネットの質問箱サイトが利用できるのではないか、ということだった。
 へえ、と思ったのは、日本の質問箱サイトを取得するのに台湾からだとIDが取得できないものがあるということ。紹介されていたのはOKWaveだったが、OKWaveは台湾からでもIDが取得できるが、話の中であったのは確かYAHOOはIDが取得できない(か、投稿ができないか忘れたが)ということだった。
 この発表では、教室の教師から与えられる課題をこなすことが学習になっている学生たちに、いかに実際使用機会を与えるか、実際使用機会を通して個々の問題点や課題を見つけてもらう機会を持たせたい、ということから始まっている。そこが「自律学習」とのつながりなのだろう。


 この発表討論会に参加して思ったのは、「自律学習」という言葉での関心はそれぞれだということ。時には、思っていることが違っていて、話がかみ合わないと思えることもあるし、その状況は自分のいる現場とは離れていて話にのれない、という雰囲気になることもあった。私自身も終わってから、今日の話はどうまとまっていくんだろう、と考えてしまった。
 ちょっと話は横道にそれるが、以前大学院生と話していて、彼らが思う「自律学習」が「学生が目標を決めて自ら楽しく勉強をし続けいていく」という像を思い描いているように感じられ、「それはなんかちょっと気持ち悪い」とコメントしたことがあった。院生たちには思いっきりびっくりされてしまったが、その思いは今も変わっていない。
 みんな「自律学習」と聞いて思うことはいろいろあって、共感できない部分もあったりする。でも、そこで、じゃあ「自律学習ってなんですか」のようなことを考えていっても、それは時には必要なことではあるけれど、前に進むことがなかなかできない。ここに集まってきた人たちは、現状肯定そのまま持続という姿勢ではなく、何かやっていこうとか、何か考えていこうとか、そういうことを思っている人たちだ。その思いは充分伝わった気がする。
 「自律学習」をタイトルに掲げた発表討論会はこれで二度目(この大学主催の)だった。三度目もしたいということだったが、次回はもう少し突っ込んだ話がしたいなと少し思った。

2011年9月26日月曜日

「ジーパン」は古い!

 聴解教材を大学院生たちと作っている時のこと。
以前録音した会話で「ジーパン」と言っている人がいたのだが、大学院生に言わせると
「大学生なのにジーパンなんて変」と言う。
ジーパンという言い方は古く、おじさんかおばさんのようだ、というのだ。
以前録音したその会話では一人が「ジーパン」一人が「ジーンズ」と言っていて、現実を反映しているようだった。

私個人の語感では、「どっちかな?台湾の学生にはどっちがわかりやすいのだろう?」と思うぐらいで、どちらが古いという感覚はなかった。

そういえば、こないだ別の大学の台湾の学生に聞いたところでは、みんな「ジーンズ」だと言っていた。さすが、学生は「きちんと」新しいほうの言い方を習得している。

その前に、別の学生から、私の語彙では「オーバーオール」を日本語では何と言うか聞かれた。学生には「私の知っている単語では『オーバーオール』と言います。『オーバーオール』と言えば相手にわかります。でも、洋服の言葉はよく変わるので、今は何というかわかりません。『オーバーオール』と言ったら、なんかおばさんみたい、と思われるかも知れません」と答えておいた。

今日、大学院生に「オーバーオールって、今はなんて言うの?」と聞いたら、答えの単語は全く聞き覚えのないもので、「サロンパス?」か「パンパース?」と聞こえてしまうような単語だった。
ちなみに、ネットで調べたところ「サロペット」「ロンパース」のようだ。
ロンパースは、ベビー服について多く使われているようだが、よくわからない。
院生いわく「サロペットって思っていたんですけど、その言い方も古いかも」とのこと。

どちらにしても、私が学生に話したことは正しかったようだ。

……ついていけない。

2011年9月10日土曜日

電子書籍を買えないわけ

スマートフォンを買った理由の一つが「電子書籍を使ってみたい」だった。電子書籍を体験したいということが一つ。また、家の中に本がかなりあり、引越しの時はそれは大変だった。
GALAXY S IIを選んだのも、電子書籍を読むのに、画面が大きめのほうがいいだろうと思ったことが理由の一つだった。
そしてスマートフォンを買った。でも、まだ電子書籍を買えないでいる。
わけは、いろいろ考えて、電子書籍は不便だなと思うからだ。

私はよく人と本を貸し借りする。専門書を同僚の先生や学生に貸したり、面白い本を学生や姉や友だちにすすめたりする。電子書籍になるとそれができない。そうすると、貸し借りする可能性があるような本は、普通の本を買うことになる。
本をある部分コピーして授業で使うことがある。電子書籍はコピーができない。そうすると、これいつか使えるかも、と思う本は普通の本を買う。
英語多読の本を電子書籍で買おうかと考えた。これは他の人と共有する可能性はない。辞書で何かを調べようとするのも電子書籍のほうが便利かもしれない。しかし、私が読むのは台湾でも売っている一般的な本なので、台湾で普通に本を買ったほうが安い。本にもよるが、例えば英語多読ではまったSophie Kinsellaの本。台湾でよく使うネットでの価格は221元。Amazon.comのKindle Storeでは8.39ドル。221元を米ドルに換算すると7.56ドルなので、台湾のほうが安いのだ。
人と絶対共有しないであろう本を電子書籍で買おうかと考えた。角川の新書なので電子書籍があるかと思ったがなかった。

話は少しそれるが、角川の新書の電子版をさがしている時に紀伊国屋のサイトを見たのだが、海外在住の場合は買えないと書いてあった。買いたい物があるわけではないのだが、なぜ????と思った。以前、雑誌の電子版で海外のみ配信というニュースを読んだことがあるが、雑誌がOKならば本も基本的にOKなのではないかと思うが、理由がよくわからない。

いくつかフリーでダウンロードできる洋書をスマートフォンにいれてみた。でも、別段どうということもなく、わくわくすることもなかった。(お金を払わないものに期待していはいけない。)

うーん。どんなことがあれば、電子書籍を買う気になるのか…。





2011年9月9日金曜日

SIMロック解除 docomo→台湾

前のエントリーで書いたスマートフォン、店頭でSIMロックが解除できると聞いて、解除した。6月末には解除したのだが、その後、本当にただなんとなーーく、壊れたらどうしようと思って、SIMカードを入れ替えていなかったのだが、ついに台湾の携帯電話のカードを入れて使うことにした。

このSIMロック解除、ドコモショップに行って1時間もかかり3000円も払った。1時間もかかったのは、たぶんそのショップでSIM解除をした客は私が最初だったからだと思う。店のどの人も慣れていない感じで、何度もいろいろ電話で問い合わせをしていた。さらに、「別のSIMカードを入れて何かおきても私たちは一切サポートしませんよ。自分でやってね。」というのを、やんわりと遠まわしに言うものだから、最初は意味がこちらに伝わらず、会話がちぐはぐになってさらに時間を取られた。

私の台湾の携帯は友人たちからあきれられるほど古いもので、普段も使っていたのは電話とショートメッセージ(SMS)を受けるのみ。SIMカードも2Gのまま(たぶん)。わけもなく心配だったのは、このSMSをきちんと受け取れるかということ。クレジットカードを使ったり、ネットで購入したりすると、このSMSで連絡が来るので、これが使えないと不便なことも多い。これは友人に頼んでテスト送信してもらい、受け取れることを確認。電話は自宅の電話から電話してみて、OK(確認するまでもないが一応)。
これで、使っていくことにした。(うじうじしていたわりにはあっさり簡単。)

SIMカードを入れ替えたあとのあれこれ。

①グーグルのアカウントのパスワードを入力するようにメッセージが出てくる
SIMカードを替えるともう一度入力しなければいけないらしい。

②電話帳の同期し忘れを発見
パスワードを入力した後で気づいて遅かったのだが、電話帳でグーグルの連絡先機能を使っていたのだが、端末で入力して同期していないものは消えていた。

③アンドロイドマーケットで購入ができない
知っている人が見たら「あったり前じゃないか」ということなのかも知れないが、アンドロイドマーケットでアプリを買おうと思ったら、無料のものしか表示されなかった。仕方がないので、もう一度SIMカードをdocomoのに戻したら、有料のものも表示されるようになった。購入して、もう一度SIMカードを戻す。

④twitterへのログインに手間取る
元は、スマートフォンに入っていたSamsungのアプリを使っていたのだが、不便だと思ったので、公式サイトのアプリを入れた。しかし、ログインができない。何度やってもできない。ネットで調べてみると、そういう人は多いらしく、「Wi-Fiからだとログインできないことが多い。その場合は3G接続にしてログインするとできる。」と書いてあるが、3G接続は台湾のSIMでは私はできないし、日本のSIMを入れて3G接続するなんて…と思ってあきらめていた。実はネットでも、twitterのページではログインできない状態が続いていたので、それを解消したり、いろいろやっているうちに、なぜかできてしまった。

SIMカード交換には関係ないが、疑問を一つ。スカイプのお金を払って電話するシステムについて。
元々PCでスカイプを使っていて、日本へ電話をかけていた。最初はスカイプクレジットを購入したが、その後月額プランの方が私にとっては割安だとわかり、その後は毎月月額プランを購入している。スマートフォンでも使えると便利だと思い、スカイプアプリを入れたのだが、最初に購入して残っているスカイプクレジットは出てくるのだが、月額プランの方は出てこない。なんで?
月額プランは日本への電話のプランなので、日本のSIMカードだと出てこないのかなと思っていたが、SIMカードを入れ替えても相変わらずだめ。

ちなみに、スカイプではビデオ通話はできないと思っていたが、これもあれこれやってみるとできるようになった。後で調べてみると、Galaxyもできるようになったらしい。

SIMカードの入れ替えをしようと思った最大の理由は、着信音が変更できるから。携帯音痴で着メロには無縁だった私。台湾の携帯でももちろん着メロはできるはずなのだが、私は設定がわからず、やってみたがうまくいかなかった。まあいいかなと思っていたのだが、最近(少し前から)、耳が年をとってきて、着信音が自分の電話か他人の電話か(はたまたテレビの中のものか)が、わからないことが多くなった。自分の好きな音楽にすればそういうこともなくなるし…というなんとも「今さらその理由ですか??」という理由。

2011年9月8日木曜日

携帯音痴がスマートフォンに奮闘

6月末に発売されたばかりのGalaxySⅡを買った。それまでソフトバンクのプリペイドを使っていたので、ドコモにも新規契約。とにかく、携帯電話のことはよくわからず、購入からスマートフォンを実際に使って、???の連続。パソコンを使い始めて戸惑う高齢者の気持ちがよくわかった気がする。

スマートフォンを買おうと思ったのは、まず、諸事情あってソフトバンクの携帯からドコモの携帯に変えようということが一つ。新しく買うのなら、スマートフォンにしたい。
スマートフォンにしたいと思ったのは、台湾で学生が結構スマートフォンを使っていることが大きい。授業の時に、発音がわからないのをスマートフォンでちょちょっと調べ、音声を聞いている学生がいたり、私が不注意でもらした「う・る・さ・い!」という言葉を聞きとって―
[以下、実際の会話は中国語]
学生「先生、今なんて言った?」
私「え?何も言ってないよ。」
学生「ウルサイ?」
私「え?そんなこと言ってないよ。」
学生「ウルサイってどういう意味?」
私「そんなこと言ってないって。はい、じゃあ…」
授業後、学生がスマートフォンで調べた画面を見せて
学生「これでしょ。」
私「………」
学生はかなりスマートフォンを活用しているし、たぶんこれから学習にも使われていくだろう。自分も使って理解したほうがいいと思ったのだ。また、姉が買った、というのも大きい。

さて、ここからが奮闘記。携帯事情がわからないことによる???や、スマートフォンがわからないことによる???など、いろいろ。その他、使ってみて、こういう機械だとこういうところがいい、というような気がついたこともある。

???であたふたした自分が結構面白いこともあり、雑多に記録。

①料金プラン云々が理解できない
携帯の料金プランはいろいろややこしいとは聞いていたのだが、本当に、理解できなかった。「○○はどうしますか?」と聞かれるのだが、○○が何なのか今ひとつわからない。また、各種サービス(?)をつけるかどうかも、つけると基本料金が割引になるとかなんとか…。「パケット」の概念も今ひとつわからず…。ちなみに私は「iモードメールって何ですか?」と質問したほどの日本の携帯事情知らず。

②タップって??
高齢者パソコン教室では「クリック」という言葉を使わずに説明するという話を読んだことがあるが、私もスマートフォンの動作用語がわからなかった。私の頭ではタップ=クリックと変換。その他の用語はいまだに覚えていない。使いかたがあまりにもわからなかったので、GalaxySⅡユーザーズガイドを買った。

③電話が受けられない
自分で一番情けないというか笑えたのがこれ。電話がかかってきたのだが、「応答」と書いてあるところを触れても応答してくれない。「どうして???」と思っている間に電話は切れ、こちらからかけ直し。3回ぐらいこれを繰り返し、触るだけではだめで、少し横にスライドさせればいいということに気付き、ようやく電話にでられるようになった。

④電話がかけられない
ずっと電話帳からかけていたのだが、ある時、家に電話しようとしたらキーパッドが出てこない(家の電話番号は電話帳には書いていないので)。3分ほど路上であたふたし、一番上にある部分を横にスライドさせると「キーボード」というのが出てきて、それに触れて解決。

⑤写真が逆さまに写る
カメラ機能で写真を撮ったのだが、なぜか写真が逆さま。なぜ?と思ったら、スマートフォンを横にして撮影した時の、持ち方が逆だった。シャッター部分が右になるように持つのが正しく、私は左側にしていた。普通に誰でも右側に持つものなのだろうか。

⑥写真がうまく撮れない
元々デジカメの時も、シャッターを押すつもりが電源ボタンを押してしまったということを何度もやらかしていて、写真とも相性が悪い。今回は、シャッターボタンに触れていない(と思う)のに、勝手に写真が撮られてしまい、それもピンぼけ。何枚も撮ればそのうち成功するのだが、なんとも効率が悪い。それに、電話を持つのとシャッターを押すのとでどう態勢を取ればよいのかがよくわからない。

⑦請求された料金にびっくり
忘れていた頃に、料金請求が来た。1000円ちょっとの料金プランだったのだが、請求額が8000円を超えていて、びっくり!初回は事務契約手数料とやらで3000円とられている。(あまりに驚いたのでドコモに電話して確かめたところ、初回は必ず請求されるものらしい。そんな説明受けたっけ?)パケット代が高額になっていたのだが、よーーく思いだしてみると、spモードメールとやらがわからなくて、ドコモショップで聞いたときに、そこでインストールされたが、あの時のパケット代ではないかと推測。いろいろ調べて、3Gモードは切っておかないと勝手につながってしまうことがあるということがわかった。


あんなにあたふたしたのに、書いてみると大したこともない気がしてきた。楽しいこと、便利なこともいろいろあり、トータルでは買ってよかったと思うことのほうが多い。

2011年9月2日金曜日

ビジネス日本語の教材に最適?[本]

オトナ語の謎。 (新潮文庫)
オトナ語の謎。 (新潮文庫)糸井 重里,ほぼ日刊イトイ新聞


タイトルは半分冗談、半分本気。
いわゆる社会人が使う日本語の語彙や表現を取り上げて使われ方、意味を解説している。
例えば、
-マネージャー-
学生諸君のイメージと社会人のそれが大きく異なる言葉。社会におけるマネージャーは、レモンの輪切りを用意したりはしない。部下を持つ管理者をそう呼ぶのだ。言葉の上に「フロア」や「プロダクト」などをつけることもある。…
私も初めて社会での使われ方を知った時に、あまりの違いに驚いた記憶がある。

「この本の生まれ方。」に
…簡単にいえば、日本語ってものはおもしろいよなあ、というような軽い知的好奇心をテーマにした読み物だったのです。
…というわけで、ここにオトナの言語を学ぶ、世界で最初の教科書が誕生したのです。
とあるが、読み物としても面白く、また、日本語教科書的な説明もなされている。日本語教科書的な説明は、普通に読めば面白いところなのだろうが、私が読むと「そうそう。こういう説明って必要」と真面目に思う。
-よろしくお願いいたします-
オトナの世界における万物の始まりが「お世話になっております」だとしたら、世界が終わる日に交わされる挨拶はこの言葉。すべての終わりにオトナはこう添える。
学生からもらう簡単な手紙やメールで、よくある内容が依頼だが、最後に「ありがとうございます」と書いてあるものが多い。「謝謝」をそのまま日本語にしたと思えば普通なのだが、日本語で読んでいくとちょっとカチンと来るだろうなと思う。以前学生に「最後は、『ありがとうございます』ではなく、『よろしくお願いします』!」と半分冗談で言い切ったことがあるが、私の感覚もそんなにはずれてはいなかったらしい。
-とぶ-
オトナが「とぶ」というとき、状況によってその意味はおおむね3つあるという。
「ちょっと神戸へとんでもらえるか」
この場合は急な出張、強制的な移動を意味する。
「午後の会議とんだから、急に暇になったよ」
この場合は、なくなることを意味する。ちなみにデータがなくなることも「とぶ」である。
「高橋さん、○○支社にとばされたらしいよ」
この場合は左遷を意味する。…
こんな書き方が結構多いのだが、これが教科書的ですごい!と思わせる。同じ単語で状況によって意味が違うもの。まとめて説明してもらえるとわかりやすくすっきりする。
-クリアー-
…「問題をクリアーしました」だと問題を解決したことになるが、「問題をクリアーにしました」だと問題がなんなのかようやくわかりましたよい、ということになり、進行状況に雲泥の差があることを覚えておこう。…
これも、なるほど!だ。こういう一字だけの違いで意味が違うというのは学生にとっては重要。
-通す-
伝票や原稿など、オトナはさまざまなものを通すが、もっとも通すのは「話」や「企画」である。先方に通したり、うやむやで通したりするのである。…
こういう、他のどんな言葉とセットでよく使われるかという説明も多い。
-そういうことで-
…そんなとき「どういうことだ?」とか思ってはいけない。要するに「今日はこれで終わりです」という合図なのだから。
談話レベルの説明。
-目を通す-
書類などをザッと読む、ということ。しかし、ほんとにザッと読んだだけだと「目を通しておけと言っただろう!」などと怒られてしまうから注意。上司から「目を通しておけ」といわれた書類は熟読するくらいでちょうどいいのかもしれない。…
この説明も、ほお、だ。言葉を言葉通りに受け取ってはいけないことはよくある。でも「目を通すってどういう意味?」と聞かれて、ここまでの説明をしてくれる人はそういない。私も「ザッと読むって意味だよ」と説明して終わりだ。

本の最後には索引もついている。読みながら、「索引あるかな?」と思って後ろを見たら本当にあって、見事。

私自身はこの本を移動中の電車の中で読んでいて笑いがおさえられず、ふきだしたりにやついたりしていた。そんな面白おかしいものを目指しているのではないが、「こういう説明があれば学生にわかりやすいし、役に立つ」という解説方法で、なんというか…脱帽した。

この本、元々は、どなたかのブログで「そうなんですね」のあいづちについて書いてある、というのを読んで、読んでみようと手にした本。糸井重里は、別に深い理由もなくなんとなくあまり好きではなかった(今まですみません)のだが、読んでよかった。