2011年12月11日日曜日

言語学習の「気づき」[中国語レッスン]

2回目の中国語レッスン(1回目はこちら)、引き続きメールの書き方。担当教師が用意してくれたプリントで学習した。このプリントで、たぶん、担当教師が意図していなかったと思うところが私には非常に役に立った。

プリントは、メールの構成(正しい配置)、見本例、相手の言い方や末尾の言い方の用例、それに練習問題があった。この練習問題、担当教師の意図は「相手の名前や末尾の挨拶がないことに気づく」ということだったが、最初、私は、そのことに気がつかなかった。気がつかなかったというより、なんというか、見てすぐわかることなので、そこがポイントだとは思わなかった。(こういう練習問題、私も作っちゃってるな、とその時思った。)
練習問題の文章は、正式な書き方をしておらず(問題のポイントだったところ)、さらに、本文もかなり「口語的」なものだった。練習問題の後に参考例として、同じ内容を比較的固い言い方で書いた文章が書かれていた。これが実に、わかりやすかった!

元々、私の中国語は、口語のインプットアウトプットの方が圧倒的に多い。だから、自分で何か書いていても「これって、口語的だよなあ」と思っていたことがよくある。そして、たまに、頂いたメールの中から使える表現を抜き出して使っていたのだが、「これって、文体ごちゃごちゃだろうな」とも思っていた。

プリントの中の、口語的文と固い文を比較して読みながら感じたこと。
1、あ、頭の中でこう考えた時は、こう書き言葉に直せばいいんだ。
2、あ、これ、メールでよく見る言葉。こうやって使えばいいんだ。
上記1については、本当にあたり前のことなのだが「我爸爸」が「我父親」、「你們學校」が「貴校」。どちらも、私としては理解ができているが、こうやって並べてみると、すっと頭に入って来るし、今度から、こうやって切り替えよう、と思えた。
2は、例えば「因此」「能否」。特に「因此」はメールでよく見ていた。面白いのが「因此」で、口語的な文章の中ではこれにあたる言葉が書いてない。そうか書くときはもう少しロジックを考えて接続詞を使ったほうがいいんだと思った。「能否」は、私が見るのは「可否」だが、たぶん同じようなものだろう。(確認すればよかった)例文は「能否請」になっていて、「これは請~と言いたい時に、書く時はこう書けばいいの?」と聞くと、そうだという答え。「請~」は、メールではよく使っていたので、「おお使えるぞ!」と感じた。

担当教師からの解説でわかったこと。末尾によく使われる「祝恭喜發財」などの「祝」だが、「祝」の字の後で改行し、続きは次の行に書くのが正式だそうだ。言われて少し考えたが、覚えがない。それから、「貴校」の前は二文字開けること。相手をさす尊敬語、自分をさす謙譲語の前は二文字空白部分をおくことで敬意を表す。これは見たことがある。「公文(公式文書)」で見かけたような気がするが、見た時は、変に空いているなとしか思わなかった。

プリントはその後、実際にメールを書くという練習問題が二問あった。一問目は「大学でクリスマスパーティーを開催するのでその招待状を学生宛にメールする」というもの。プリントの最初の見本例が一つは「長いこと会っていない友だちに宛てたメール」、もう一つが「大学のイベントの招待メール」で、この2つ目の例を使えばできるものだった。その場で書き、担当教師に見せる。これはまあ簡単だった。次の問題が「長いこと会っていない友だちに書くメール」で、これは見本例の1を参考にするものだと思うが、そのままだとちょっと簡単すぎるし、実際、私はたぶんそんなメールを書かない。そこで、実際にこういうメールを送る相手には誰がいるだろう…と考えて、思いついたのが、以前の職場でお世話になった先生。私からはかなり目上にあたり、「正式な文書」を書く相手だ。早速、担当教師に「メールを出す相手を変えていい?」と交渉し、交渉成立。これは次回までの宿題になった。自分としては、実際的ないい課題だと思ったが、時間をおいて考えてみると、かなりチャレンジング。でも、本当に送りたいなと思ったし(実際、大変ご無沙汰していて失礼極まりない)、是非、完成させたい。

今、実は別の授業用に第二言語習得についての話をするべく準備しているのだが、その為に何冊か本を読み返している。ちょうど「アウトプット仮説」を読んだところで
理解可能なインプットだけでは十分ではなく習得にはアウトプットも必要だと言われている。それは、アウトプットをすることにより、(1)自分が言いたいことと言えることのギャップに気づくことができ、(2)言語形式に注意を向けることができる、(後略)
このことが、とても実感できた1時間のレッスンだった。見本例もあり、個々の言い回しについても理解していたものもあり、わからなかったものは解説してもらったのだが、実際に手を動かして書いてみると、いろいろ迷うことがある。また、「招待状」についても、クリスマスパーティーはしないと思うが、例えば「研修会」などを開催してその招待状メールを送るというのは、可能性がないわけではない。「クリスマスパーティーを研修会に変えたら、ここはどう変えればいいんだろう?」など、それまで漠然と見ていたものを、もっと注意してみるようになる。(というより、この手のメールは受け取っていたのだが、今までは、書き方や言葉遣いに注意して見てこなかった。)今までも、もらったメールの中で使える言い回しには注意していたつもりだったが、でも、やはり何か心もとなかった。これから受け取る中国語メールの見方が、変わるような気がする。



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