2012年5月7日月曜日

ネットでの交流-歌の製作者と翻訳者

現代は、こうやって交流することがあるんだ…と思った学生の例。
 先日、前に教えていた学生からメールが来た。好きな日本の歌の歌詞の翻訳を作ったから見てほしいとのこと。そのメールには、翻訳の文章はついておらず、「見ますよ」と返事をしたら、再びメールが来た。 メールには、日本語の元の歌詞と翻訳の歌詞が掲載されている学生のブログのURL、元の歌のビデオがあるYouTubeのURL、それに、歌の作者とのやりとりが記録されたURLが書いてあった。
 正直、色々な意味でかなり驚いた。
 まず、全てURLで送られてきたことに、単純に驚いた。作者とのやりとりは、Plurk pasteというものを使って記録されていて、そのURLだった。Plurkは、台湾では多く使われているtwitterのようなものであるが、それに何か長めの文章のリンクを貼る用途としてあるらしい。こんなものの存在も知らなかった。メールにだらだら引用されるよりも見やすくていいなと思った。
 前に教えていた学生、というのは、先学期、第二外国語のクラスを受講していた学生で、そのクラスは動詞の「て形」から始まり、動詞の○○形を学習し始めるレベル。歌詞の翻訳をするには相当難しいと思うのだが、それに挑戦したということにもびっくり。また、その歌のビデオも見たが(ちなみにこちら→コノナカ)、なかなか難解である。メールには、色々な友だちの助けを借りたと書いてあったが、やってみようと思うところがすごいと思う。
 一番驚いたのが作者とのやりとり。何より、聞いてみようと思うところがびっくり。私に送られてきたのは、歌詞の解釈に関するところのみなので、どういう経緯で作者と連絡をとるようになったのかはわからないが、こういうことできちゃうんだなあ、と思った。以前、何か日本の学校の取組みで、著作権の問題をクリアするために、学生が直接本人と連絡を取りOKをもらった、というようなのを読んだことがあるが、それと似ている。
 歌詞の解釈に関するやり取りだが、言葉の意味を説明するというのは、かなり高度な技術だと思う。それを、日本語と英語を交えて、相手に伝え、返事をもらっている。私が読んだところ、言い方に間違いなどはあるにはあるが、充分言いたいことはわかる内容だった。作者の側も英語を交え、わかりやすい解説だった。
 面白いと思ったのが、学生が作者への質問の最後に「お順調に」という挨拶を書いていたこと。そしてそれを相手も同じように使って返していたこと。「お順調に」は、中国語の翻訳的な感じがするが、なんとなく、言いたいことはわかるし、響き的にもいいな、と思う。作者もそう思って使ったのかどうかはわからないが、最後に「お順調に」と書かれていた。こうやって新しい表現が使われていくのも面白い。

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