2013年7月27日土曜日

頼まれた時のNOの言い方【中国語】

 私の個人的な経験からそうじゃないかなあ、と思っていること。いやいや違うでしょ、という説明があったら聞きたい。簡単に言うと、無理なことを頼まれた時に、日本ではその場でNOという。台湾の状況ではとりあえずYESと言っておき、後でできないという。そんな感じだ。
 何かを頼まれた時に、「えー無理、無理」と思うことがあった。一度ならず、よくあった。私の日本語的な感覚だと、頼まれて「はい」と受諾したら、精一杯頼まれたことを達成しようとする。「難しいですがやってみます」的な状況でも同じ。「難しいですがやってみます」でOKした時に、もしできそうもなかったら早めにそのことを相手に伝える。「いやいやどう考えても無理でしょう」と言う時には、理由を説明し、頼まれたことにNOと言い、頼まれごとを受諾しない。
 この感覚が、仕事で中国語を使っている場合、なんか違う。今までの経験では、「えー無理」と思って事情を説明しても相手は納得してくれず、しょうがなく「難しいと思いますよ」と言って承諾し、後で「できませんでした」と言うと、あっさりと「しょうがないね」と言われる。こっちとしては、だから難しいって理由も説明したのに…、あっさりしょうがないというぐらいなら、最初にあんなに頼むな!と言いたくなる。
 ある時は「はあ?」と思うようなことを会議で上司から指示を受け、周りの同僚はその時には何も反対しなかったので、「じゃあ、やるしかないのか」とこちらは覚悟を決め、それこそ徹夜して仕事を仕上げた。でも蓋をあけてみると他の同僚は誰もやっていない。上司は「みんなが難しいというから」と指示内容を緩和し、「でもY-LABOさんはやってくれたから、これはこれで…」私の徹夜はなんだったのか…、と脱力。
 こういう経験を何度も繰り返し、とりあえずYESと言っておくのが相手に対する敬意なのではないかと考えるようになった。頼まれたことにYESと言って「あなたの気持ちを受け取りました」ということを表現する。その場でNOと言ってしまったら、相手の気持を理解しないことになるのではないか。だから、できるできないに関わらず、頼みごとにはとりあえずYESという。やるやらない、できるできないはその後の話だ。
 と考えると逆も同じ。何か頼みごとをして相手がYESと言ったからといって、必ずそれをしてくれるとは限らないということだ。相手のYESは「やりますよ」のYESではなく、「あなたの気持ちはわかりました」のYESだからだ。
 以前、日本の学生との交流活動の時のことだ。日程の最初は台北で過ごすことになっていて、それは日本側が旅行社に頼んでバスや台北でのルートなどを計画し、台湾側はそれに参加するという形式になっていた。。日本側の計画は、時間的にとても無理ではないかと思えたのでその旨伝えたが、「旅行社に話したらOKと言われましたから」と言われたのでそれ以上は何も言わなかった。でも、内心「これ、当日できませんって言われるパターンじゃないかな」と思っていたら、案の定そうだった。行程表に書かれていたようにはできないので「○○と☓☓にだけ行きます」と、当日旅行社の手配したガイドから告げられた。日本側の責任者は「OKと言ったのに…。当日、日程を変更するなんて…」とちょっと不満顔。「こういうこと、よくあるんですよ。まあこれも異文化体験ということで…」となだめることになった。
 台北でどこに行くかは大したことではないのでまだいいが、これが仕事に関わることだったら大変だろう。やると言われたことをあてにし、それに関わるその他の仕事を組んでいたら大元ができない。その他の仕事の計画も狂ってしまう。どこかで聞いたことがあるような、台湾での仕事の不満の原因はここにあるのではないかと思う。
 頭で理解しても、行動がともなうかというとそれはまた別問題だ。断ったあとになって「あ、一応OKって言っとけばよかった」と思ったことが、これまで何度もある。そうは言っても、理解していないよりはいいのだと思う。不満やストレスが少なくなるし、何回かに一回は行動も伴うようになってくる。
 頼まれたら、最初に断らない。最初に断ったらどんな断り方でも「むげに断った」ことになる。相手にOKと言われても「ああよかった」と安心せず、途中で様子をうかがってみる。私の心のなかにある頼まれごとの対処法だ。

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