2013年3月11日月曜日

新明解国語辞典の思い出

 ライフハッカーの「こんな辞書を待っていた! オモシロ解説が魅力の『新明解国語辞典』アプリ」を見て、高校の時のことを思い出した。
 高校三年生の時に、卒業研究という名目の少し長めのレポートを書く課題があった。私が選んだテーマは「助数詞」。数える時に後ろにつける「~枚」「~本」「~足」などのあれだ。新聞に折り込まれてくるスーパーのチラシなどを見て、せっせと用例を集めていた。解説が書いてある本などもさがしては見たが、助数詞が一覧になっているものがなかなかない。そんな時「新明解国語辞典」のある版の巻末に助数詞の解説か一覧があるということを知った。しかし、その版は古いものなので、行ける本屋を数軒周ったが店頭においている本屋はないし、学校や地域の図書館にもない。
 たぶん、教育母の助言があったんだと思うが、結局私は三省堂に手紙を書いた。「学校の課題でテーマに助数詞を選び調べている。『新明解国語辞典』の○版の巻末に助数詞の解説があることを知ったが、入手できない。申し訳ないがコピーを送ってもらえないか。」そんな内容だ。
 送ってくれるという確信はなかった。たかだか学校のレポートを書きたいという高校生を、大手の出版社が相手にしてくれるとはあまり期待していなかった。送ってくれたらラッキーだなぐらいに思っていたと思う。
 手紙を送ってからどれぐらい経ったころだっただろうか、なんと、三省堂から封書が送られてきた。私の希望する箇所のコピーと、手紙が入っていた。感動した。コピーを送ってくれたことはもちろん、送ってくれるとしてもコピーだけが入っていると思ったら手紙まで添えられていた。一高校生としては、大人に相手にしてもらったことが心の底から嬉しかった。
 高校生の分際でエラそうだが、私はそれまで三省堂を「お手軽な辞書を作る出版社」としか思っていなかった。三省堂の辞書は家に何冊かあったが、何かでもらったものも数冊。三省堂の辞書といえば、持ち歩きしやすいコンサイス。辞書それ自体に愛着を感じるものではなかった。でもそのコピーと手紙の一件で、「私は三省堂を愛そう!」と決めた。
 あれからもうとうに四半世紀を過ぎてしまった。そして「三省堂を愛そう!」の決意もどこかへ言ってしまっていた。決意は別にしても、上記のライフハッカーの記事を読んで、なかなかいいアプリだと思った。このアプリ、買おう!

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