2013年1月19日土曜日

面接はスーツで臨もう

 卒業生と久しぶりに会った。「日系企業に就職したんです!」と嬉しい報告。聞きたい気持ちがむくむく湧いてきて、面接のことや仕事のことなどを根掘り葉掘り聞いた。今日、聞いた話。
 募集を見たのはネットの仕事紹介サイト(人力銀行)だった。1年以上の経験者募集と書いてあったが、ダメ元で応募。面接の練習にでもなれば、という気軽な気持ちで臨んだ。それでも、先輩に面接での心得を聞き、履歴書や自己PRの日本語版中国語版を用意し面接に行った。
面接には5人来ていたんですよ。でも、スーツを着ていたのは僕だけでした。
隣の応募者と話したが、彼のほうが明らかに日本語が上手だと思ったとのこと。でも採用されたのは、自分だった。
自分でもびっくりです。
面接で日本語で聞かれたのは、どんな食べ物が好きか?どこに住んでいるか?など。え?それ仕事と関係あるの?と本人は思った。まあ、これは、内容よりも日本語力を見ていたんだろうと私は思った。
両親もそう言っていました。
中国語の質問内容のほうが答えるのが難しく、例えば「3か月過ぎたら給料があがるけれども、どれぐらいあがると思う?」と聞かれたそうだ。「結構大事な仕事だけれど、自分にできると思う?」と聞かれ、内心は「いやあ、初めてだからそんな自信は…」と思っていたが、それは面接。「やります!」と答えた。

 タイトルの「面接はスーツで臨もう」だが、それは、たぶん、この卒業生が採用されたのは「スーツで面接に臨んだ」ことがポイントの一つだったのではないかと思ったからだ。実際、面接当日スーツを着ていると、お父さんから「そこまで正式な格好をしなくてもいいんじゃないの」みたいなことを言われたらしい。でも、本人は「いや、相手はやっぱり日本の企業だからスーツのほうがいいだろう」と思って、スーツを着て行ったそうだ。こういうところ、「お!わかってるじゃん」みたいに思われたのではないかなあと思う。
 日本語で書いた自己PRは、自分ですべて書き、ネットなどは参考にしなかった。
間違えていたとしても、それをそのまま見てもらったほうがいいですから。僕の能力の程度を相手にわかってもらったほうがいいし。
いいね、そういう感じ。

 仕事を始めたのはこの月曜日から。
今はまだ勉強しているだけで、なんにも役に立っていないんですよ。
とこれまた、謙虚な発言。彼が見せてくれたメモ帳には、仕事用語がずらりと並んでいた。
前に先生に自己PRの書き方をだめだと言われたから、今回は、今まで通訳したことなどをたくさん書きました。
そういえば、以前会った時には、「仕事紹介サイトに登録したけれど、全然面接の話が来ない」とぼやいていた。自己PRに何を書いたかと聞いたら、家族のことや経験はないけれど頑張りますみたいなことを書いたと言っていて「何書いてんのあんた!!」ぐらいの勢いでダメだしをしたことがある。そんなことがあったことも忘れてしまうぐらい、今日会った卒業生の彼は、立派なオトナになっていた。私が言ったことが少しは役に立ったのかな、と思ってこちらも嬉しかった。
この他にもいろいろな話を聞いたが、何を聞いても、いやあ、大人になったなあ、と感じた。
卒業生:今日は、たくさんほめてくれるけど…
私:いや、ほんとに心の底からすごいなと思ってるよ。
卒業生:ほんとに心の底?心の横とかじゃないの?
まあね、大学ではちゃかしてほめることも多かったけれど、今日のは、本当に心の底の言葉です。人の成長を見た!という嬉しい日でした。

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