2011年7月23日土曜日

謝罪の決まり文句?「不是故意的」[中国語]

ずっと以前に、学生に言われてちょっとカチンと来てしまった言葉。

「不是故意的」

その時の詳しいやりとりはよく覚えてはいないが、学生が何かやらなければいけないことを忘れたというような、私が学生を叱っている状況だったように思う。

この「不是故意的」。日本語にすると「わざとじゃないんです。」になるだろうか。とにかくその時は、自分の中でそう翻訳して理解していた。そして「わざとじゃないなんてアッタリマエでしょう!!!」とカチン。学生にもそのままカチンと来た気持ちをぶつけてしまった記憶がある。

それからずっと経ってから、全く違う大学の「コミュニケーション概論」という授業で、謝る時の会話を書いてもらった(中国語で)時のこと。
ありました、この「不是故意的」。学生が書いた会話は、この「不是故意的」があっても相手に怒られることなく展開していた。書いた学生に「この言い方って普通にする?問題はない?」と聞いてみたところ、聞かれた学生は意味がわからず、一瞬きょとんとした様子。別に問題はないということだった。

乱暴にまとめてしまうが、日本語会話での「わざとじゃないんです」は、自分には非はない、そして、叱られていることが納得できない、というニュアンスを含んでいるように思う。でも、「不是故意的」にはそのような相手に反論したいニュアンスはないのではないか、とその時に思った。

職場で「台湾人は言い訳が多い」と言われることがあるが、この言い方もそう思わせてしまう一つだろうなと思う。

先学期の授業時にも、この「不是故意的」を聞いた。
その日は小テストをすることになっていたのだが、一人の学生(Mさん)が来ない。他の学生がMさんに電話をかけると「家のかぎが見つからなくて、家から出られない」とのこと。それを聞いた別の学生が
「她不是故意的。」
その学生が言いたかったことは、Mさんはサボってこないわけではない。授業に来ようとしたけれど、来られないということだった。
本人を叱っているのと多少状況は違うが、以前だったら、カチンときてしまっていたかも知れないと思う。聞いたとたんに「お、出た出た」と心の中で思い笑っていた。

この「不是故意的」。状況を考えて日本語に置き換えるとすれば「すみません、うっかりしていました。」だろうか。少なくとも、聞いた時にそう頭の中で翻訳すれば、カチンと来ることもないだろう。

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