2011年1月7日金曜日

トレードオフ 上質をとるか、手軽をとるか

トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか 

企業経営についての本(だと思う)。
アマゾンの書評を見てみると、「こんな単純ではない」「自分の理論にあてはなる事例を集めただけではないか」のような辛口の意見もあるが、私は単純に、ああそうかと納得しながら読んでいた。

乱暴にまとめてしまえば、「手軽」か「上質」かどちらか「トレードオフ(二者択一)」するべき。中途半端はいけない。中途半端にすると「不毛地帯」に陥ってしまう、ということなのだろう。

翻訳ものなので、アメリカの事例が主なのだが、スターバックスが上質から手軽に変わり失敗した例やみんなが持つようになったCOACHの例など、自分の周りの例として感じられることがいろいろ出てくる。

「上質」は「経験」+「オーラ」+「個性」という言葉で説明されている。一方、「手軽」は「入手しやすさ」+「安さ」である。また、別の言葉では「愛されるか」VS「必要とされるか」という言い方も出てくる。

手軽かどうかは、状況によって変わってくるということも書いてあった。例として、ある調査が紹介されていて、電子レンジが必要な年齢層は、18歳から29歳の年齢層と65歳以上の年齢層に分かれる。少人数だと電子レンジが手軽だが、大人数だとそうでもないという状況になる。

商品やサービスに「社交性」があると上質感が増す、とも書かれていた。「社交性」は別の言葉で言うと「つながり」である。今流行りのと言った感じだろうか。

最後には、「上質と手軽の天秤は個人にもあてはまる」とあった。うん、なるほど。

こういうような研究や、実際に業界にいる人にとっては、批判もいろいろあるかもしれないが、素人の私が読むには、なかなか面白かったし、自分の仕事を考えるうえで、参考になる部分も多かった。